2016年6月23日木曜日

「みだれそめにし われならなくに」

 東北地方に関連のある和歌を紹介します!ちょうど今授業でやってるんですよね。


  「みちのくの しのぶもぢすり 誰故に 乱れそめにし 我ならなくに」


 作者は『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルともされている源融です。「みちのくのしのぶもぢすり」は福島県信夫地方(市町村合併によって地名は残っていない)においてかつて特産品であった「信夫摺り」のことを指しています。

こんな感じだったようです。


 藍と紅花で染色した模様はしましまになっていて、この模様が乱れている様子と恋にときめく自分の心情をかけて、「心が乱れているのは誰のせい?あなたのせいですよ!!」と詠んでいます。

 こんなことを女性に言っても許されるなんて、さぞかしイケメンだったことでしょう(笑)昔は恋愛のツールとして和歌は非常に重要でした。男女が直接会うことは難しい時代だったので、一首に自分の思いを一生懸命こめていました。大胆な詠みぶりに作者の情熱を感じる一句です。

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